仕事の合間に呼び止められて、思わぬひと時。
声の主は、谷郁雄という詩人だ。
以前、赤坂に向かう道で詩集の見本があがって別の人に持っていく途中、ばったりあった。
持っていた本を見せてと開いて「後でゆっくり読むから、持って来てね」と言ってくれた。
それから2週間くらいしてからやっと数冊手元に持てるようになったので持っていった。
そうして、随分と時間が過ぎてから「話をする機会がなかったからさ」と、声をかけてくれたのだった。
すこし話していると、ぱらぱらとページを開いて感想を少しずつ語ってくれた。
その様子からは、何度か読んでくれていたことがわかる。うれしい。
けれど、詩にまつわる仕事をしている人に読んでもらうのは非常に緊張する。
最初、言葉少なに「かっこいいんだよね」「うまい」「技術がある」と、幾つか褒め言葉に思える文句が聞こえてきた。
私は技術なんて持っていない。うまい部類ではないと思っている。
それに、どちらかというと、少し格好悪いを目指していたつもりだった。
私にはすぐに察しがついた。それは褒め言葉なんかじゃない。
「うまい」と褒められて安堵するな。と、聞こえてきた。
まだ、あまりよく知らない私に対して、誠意を持って「もっと切実に」「身体で書け」「手で書く感覚を持っていたほうがいい」と。
詩を書く仲間、兄のような言葉で「必死になって。死にものぐるいで。そして、この原稿は幾らなのかを考える」ということまで・・。
谷さんの言葉からは、また風貌からは一見想像も出来ない切実な想いを、詩の世界と一緒に、数分で伝えようとしてくれた。
そこに、私は、素直に感動した。
いろいろな考え方の詩人がいるだろう。いろいろな考え方の人がいる。
20分ほどの昼飯前の空腹の時間。
私の胃には、「詩の現実(いま)」が鉛のように流し込まれた気がした。
3 コメント:
書くことに慣れてきてしまって衝動的に書くこと、湧き上がるように書く、ということがなくなってきているのかも。。と、はっとしました。
少しずれてしまっているかもしれませんが。。。
もっと、がむしゃらに高校球児のように一球入魂 一作入魂で書きたいですね。
がんばりましょう。
「うまい」ってのも絶対大事ですよ~
例えば『なみだ』の詩なら、
> 吸い込まれる
> オレンジTシャツ
⇒普通、涙だったら白とか青とか水色なのに、オレンジのTシャツが出てくるなんて。
“後藤理絵”でしかありえない、と思う。
個性があって、その個性を伝える技術を持つ人ってすごい。
しかし、一方で、谷郁雄という人は技巧を感じさせない詩を書く人ですよね。
それもまたすごいと思う。
コアラさん。
おひさしぶり〜っ!
ほんとにね、書くって楽して苦しいものよね。
そこに、うまくなりたいから書き続けるとなんだか流れていってしまうように思えて、ときどき許せない作品ってのが生まれてきてしまいます。
肉筆で書くという作業は、必要なのかもしれない。
こうして、ブログやタイピングしてばかりでは。。
戒められました。
ゆっき
それをうまいというのかしら?
オレンジは、夕焼け、夏のおわりにかけているということもありますが、それが個性と
言うのかなぁ。
谷さんって不思議というか、なんだか凛としていてすがすがしいよね。意外とおしゃべり好きなのね(笑)。
真面目で、そして詩に対して厳しい人。
今日ハリ→に借りた笹公人の本、面白い!
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