一日はだんだん暮れていく
夜がだんだん落ち込んでくる
と、犬は吠えるのをやめるだろう
静かな夜は
砕け散る
ぼくのココロの音で
ぼくはひとつだけ多い朝と
一千マイルの道をうしろにしてきたので
ドアのまえの十字路から
ぼくの目は薄れはじめる
愛を抱きしめた部屋を
振り向いたとき
通りと歩道と看板に目を戻す
ぼくはひとつだけ多すぎる朝と
一千マイルをうしろにしてきたのだった
それはいらいらした満たされない気持ちで
誰にも何の良いことも無い
ぼくがいうことはなんでも
きみはおなじようにうまく言える
「きみの立場からきみは正しい」
「ぼくの立場からぼくは正しい」
ふたりともあまりに多くの朝と
一千マイルをうしろにしてきた
(訳:片桐ユズル→一部リライト:後藤理絵)
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BOB DYLANのアルバム『THE TIMES THEY ARE A=CHANGIN'』より、「One Too Many Morning」の歌詞を当時のライナーノーツに載っていた片桐さんの訳を一部改変したものです。
ボブ・ディランの曲は数多いので、選ぶというのも一苦労ですが、この詩はとてもわかり難いのになんだか不思議と納得してしまう感じを受け、詩的な世界が現実の世界と交錯するというようなイメージがありました。
彼はアレン・ギンズバーグらと交流があり、彼自身の歌からはそれぞれが詩に対して非常にデリケートに、敬意を払っていることがわかります。
それに、私も敬意を示したいと思い、今回のライブで15分という頂いた時間のなかで、ボブ・ディランから一曲お借りして向かいました。
その「一つだけ多すぎる朝」を訳すのはニュアンスとして大変難しいと思う反面、ほんとうに詩的な表現であると感服します。
わたしにとって、その曖昧な、しかしなんとなく理解できる感覚、それは表現したいところなのかもしれません。
年の瀬に、たくさんの本やCDをひっくり返して、いろんな発見をしています。
【撮影:カトウタカミツ ※昔の後藤理絵です(笑)】
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