雨からの手紙
「きみは、
おぼえているだろうか」
晴れの日は、背中のぬくもり
雨の日の、お揃いの長靴
体温と空気中の温度の間に
湿り気のあるもっとも輝いた瞬間を
皮膜を剥ぐように
いま、ゆっくりと確かめているよ
「あした、
晴れるだろうか」
車輪のはがれるアスファルトの音楽
それは雨からのやさしく誠実な調べ
ポストは遠くて
傘をさしても、この封筒は濡れっぱなし
郵便の赤い自転車が
ジリリン、目の前のカドを通り過ぎる
やっと辿り着いた郵便局では
「重量オーバーです」
涙を含んだ重さを、すこしあきれ気味に
たやすく、簡単に
これ見よがしに、計ってみせた
「あしたも、
雨だろうか」
投函したばかりなのに
きみの返事を待っている
雨のせいで、少し長くなった首が痛い
Photo:なにかと話題の中国は北京での風景。
早朝に、煉炭を運んでいるおじさんたち。
近くはオリンピックのために舗装や工事が盛んなのに
とてもちぐはくな風景でした。
詩には関係ないけど「自転車つながり」のカット。
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