samedi, juin 17, 2006

深く透明なみどり


とある書店のレジ前で
本に睫毛を落とす彼女

この夏生まれる本に時々
頬づえをついては
色濃いページに落ちた
木漏れ日を見つめ
言葉をあつめた

迷彩色のTシャツには
恐竜のマニキュア
星たちが作った冠は
少しゆるめで髪を滑る

身を木陰に傾けて
たまごの殻に似た白い指先
葉っぱの落とす光の滴を
拾ってその本の間の
栞にしよう

黒き髪の後れ毛に
一つだけの黒い星も
涼やかに
襟元を開放して
遊ばせてくれるのは
潤い渡る透明な風

Pour Mlle K. N 2006.6.17 sat.

samedi, juin 10, 2006

メロン/キックオフ

メロンが届いた。甘ーい!美味しくいただきました。
(おかあさまありがとう。)
キックオフ。。パラグアイの不運とプレッシャー。彼らの気持ちと裏腹にのんびりとTVからの中継の音と温度に夏を感じずにはいられない。気持ちよい季節。

先日行った、神楽坂毘沙門天の裏にあるレストランで、エスカルゴとつぼ焼きシチュー、その他を注文。とてもとても美味しかった。隣はザクロトニック。夏の栄養はいろんなところにある。大好きな、真夏がやってくる!

mercredi, juin 07, 2006

C4I+datamatics/池田亮司

もう随分前にダムタイプ(Dumb Type)を見た以来。ダムタイプのときもいいが、今回の前半C4I が特に良かった。メッセージ性が高いのだが、音と映像の錯乱を程よく演出していてバランスが良い。なんと表現したらいいかわからないけど、とにかく刺激を受けた。完成度、音の広がりと捉まえたモチーフのループとバランス、映像の中で一番気に入ったのはそのモチーフの「規模」の違い。左右不対象の言葉。それらと音との繋げ方が違和感なく、好みの賛否よりやはり仕事の仕方や姿勢が整っている気持ちよさを感じる事ができた。確実に自分が必要とされている場面があるのだという確信のもとにこなしている。出来る事を出来る限りやるという仕事。それでもなにやら楽しそうだ。自分にしか出来ない事?それを見つけるのに誰もが苦労するところ。まずは身近なところから。。

とても古い話だが、以前、私が参加したアルバム(Visions Of Divas・スパイラルレーベル)のときにお世話になった。私は当時、詞を書き唄った。そのときはミキサーに向かいつつ、寡黙に音と向き合っていた。一見、文学青年のような神経質さと冷静さを兼ね備えた出で立ちで、訳ありのカッコいいお兄さん(?!)みたいだったが、いまや世界のRyoji Ikedaだ。
スパイラルでは当時、いろんなアーティストが出入りし、一緒に仕事をさせてもらったのがCo-FusionのWADA&TANI。みんな、世界で活躍している人だし、同じアルバムに参加していたボーカルの中には今 J-WAVE で活躍しているDJリーソルもいる。今考えると不思議だがそのアルバムには様々な人が関わっていた。
自分なりのペースで、全く違うメディアだが、いま本を制作する。そこで関わった音楽の関係者とはまた違う、本が好きで、そして本を作ることにエネルギーを注いでいる人たちに囲まれて、今週から来週までに仕上げて最後の入校に。
いま出来る事の出来る限りを、楽しみながらやりたいものだ。

イッセー尾形の佇まい

役者という言葉がとても似合う人。随分前になるが「それから」という映画を公開当時に見に行った記憶が蘇る。その時、そば屋かどこかで主役の後ろで一人で芝居をしていた。それが妙に頭にこびりついていた。6年前、NYに行ったときに仲間と行った文化センターにて「一人芝居」を連続で見た。その中にイッセー尾形のパフォーマンスがあった。
以前から気になっていた映画「トニー滝谷」を見る。静かな、涼しげな映画。人の悲しみ、寂しさ。儚さ。美しさ。
演出も、カメラワークも様々な工夫が見られた。一番はやはりキャスティングにあると思う。あの役柄は不思議な存在だし、若いときから今までをずっと同じ人物が通して出ることに違和感を感じないで見せる。
恐るべしイッセー尾形。若い役でも、全く違和感がなかった。宮沢りえとの歳の差も、設定通りに見えた。実際はもっともっと離れているはずなのに。。しかも、カッコいい。特に魅力的な人物ではないし、どちらかと言うと格好悪い役で、四角四面の面白みのない人物設定。芝居をやりすぎる事もなく、押さえたところが洗練されたセンスを感じた。色気がある年齢の重ね方。
役者と、その佇まいには、その人自身の素の歴史が見える。苦労をしたかもしれないたくさんの皺さえも美しく見えてしまった。

dimanche, juin 04, 2006

夏。準備中。。


土曜日の午後・・発売された「0時に 教室で」を編集者からようやくもらえて嬉しくて自宅に持って帰り週末ゆっくりと読む。制作に加わった作品だが、この作品は審査のときに出会って、最後のほうで上位に食い込んだ作品だから思い入れがある。
最初から写真のコラボということが企画意図としてあがっていたので、候補の写真家を選んだり細かいディレクションを入れた作品。ようやくあがって来た頃は、ばたばたしていたので、ゆっくりとページをめくる機会を待っていた。やっぱり最後の「屋上」が大好きだ!ふっと自分の昔と今を重ねる事ができるような気持ちになる。それは、著者の意図かどうかわからないが、蝉の命と自分の明日と環境と、全ての融合が空に向かっていく、そんな結末に感じる。詩は行間を読者にゆだねてくれるものでもある。そこが好きだ。そしてこの作品と、この著者に会えたことが嬉しい。一緒に制作した編集者と若手写真家とデザイナーという環境にも恵まれて生まれた作品だと思う。
この作品と「キミが泣いたらシャンデリア」は、力作だし、若い詩人たちが心を注いでいるその誠実さを形にするという仕事に生き甲斐を感じ。使命感に燃えて作った。そして、彼女らに私も支えられていると思っている。とにかく、出会えて良かった。




日曜日。Yukiと久しぶりに”女の子同士の買い物”♪
神楽坂突然、店の表にかかっていた浴衣を発見。
神楽坂途中にある着物のお店に。。鏡前でいくつかの浴衣を合わせる。
好きな色を選んでみた。。が、結局、安くて一番鮮やかなものを購入。こういうものは、女の子に選んでもらったほうがいいね。
けど、二人とも随分と優柔不断になりながら、いろいろと考えていたため、どっと疲れてしまった〜
普段きないものを選ぶ楽しさと感覚の曖昧さ。しかも、浴衣って、普段あまりに縁がなさ過ぎる。考えてみるとお祭りとか、旅館でしか袖を通さない。しかも自分のモノに袖を通す機会は前者のみ。水着を選ぶときも同じ。Yukiが「周りの人のために着る」という言葉を言っていたけど、確かにそうだね。そこんところで最終的には鮮やかな紫色を。写真より実際ほんとに鮮やかです。

夏の風物詩。浴衣に風鈴(これが金魚の形で音もいい!かわいいんだよね〜〜金魚の中にまた小さな金魚がいるの♪)。なるほど粋な買い物です。しかも、購入は神楽坂で!風情がありますねぇ。街並も。コーヒー屋さんもお洒落だったけど、その後は五十番の肉まんをぺろり。古くからの料亭旅館の路地を肉まん片手に歩きましたっ。途中、黒猫くんに会いました。日曜の楽しい午後。
夜は映画「トニー滝谷」「モンスター」の2本立てを、例によってスカパーで満喫!