dimanche, décembre 21, 2008

温かいプレゼント


土曜日午後一番、金曜遅い時間まで仕事で会えなかったKayoと、一緒に久々のヨガ教室へ。
今週、伸びたり縮んだりを繰り返した心は少し回復したような、そんな“心地の良い”午後。

ヨガ教室の裏道に並ぶ店たちは昼は静かだけど、夜になると活気がありそうで、Kayoは「この辺に住みたい」なんて言ってたな。。。わかる。。
すっかり忘れてたけど、荻窪でバイトもしたこともあったっけ。ルミネで、Marks&webのハンドメイドソープとソープディッシュをKayoに勧めてもらった石けん。香も価格も気に入って即購入。これから行く友人Ryokoのお土産と自分用に2つずつ購入した。


その後、ゆるい感じのケーキと紅茶で眠くなりながら、ゆうべの電話の続きみたいな話をする。バスターミナルでバスがゆっくりぐるぐるしているのが余計に眠さを誘う。
Kayoは阿佐ヶ谷へ、私は吉祥寺へ。それぞれの友人に会うために解散。

吉祥寺から、井の頭線(久々に乗る経路)で、もうかれこれ18年の付き合いのRyokoの新居へ。
私にとっては懐かしい中央線の小旅行・・・と思ったが、あっという間に着いた。
Ryokoの部屋があまりにも温かくて、嬉しくなる。彼女は元々明るい人だけれど、さらに若返っていたから、本当に安堵した。
到着したら、昼間、私のために農家から買ったというもりもりとした野菜と“鶏肉屋”で買ったという鶏肉の鍋を作ってくれてさらに温かくて、おいしくて、うれし涙を流しそうだった。
食べた後、引っ越しでまぎれていた私への遅い誕生日プレゼントをくれた。
「さくらんぼ」のキーホルダー。“私っぽい”からってことだったけど、彼女のセレクトらしいなって、私は思っていた(だから余計に嬉しかったんだけどれども)。その、ぎこちない包装は、フランス人のおじさんが30分かけてリボンを付けたんだと言うエピソードも、光景が目の前に浮かんできて、それが映画を見た時の感覚のように私に自然に入ってきた。




しあわせもの。
私はいつも心を溶かしてくれる友人の言葉や、小さなエピソードにいつもいつも救われている気がする。
やさしい気持ちになれる様々なこと、もの、ことば。さり気ない日常の中に、やっぱりしあわせってあるんだなって実感した週末。先週の首の後ろの冷たさが少しずつ解凍されていくみたいに。

jeudi, décembre 18, 2008

枯れた呼吸

また、冬が胸に入ってくる

肺のなかできらきらの結晶になるならいいのに
凍って貼付いて伸縮を妨げられて
冬に牛耳られた私の左右の肺

この、
胸の騒ぎはカラスの羽根で擦れた血管のせい

この、
酸素を探す舌は器官の中で最も敏感な触手だった

舌を失い
言葉を失い
羽根をもがれた

みっともないカラスになっても
私は息をしている

生を啄んでいることを
開き直ったかのように
道を縦横する人に
見せつけるプライドだけを持って

暗闇で、煙草に火をつける人
彼の側でその煙を失敬した
息が闇を灰色にする
食べ物も喉を通らないのに煙だけは盗む

懐かしい声がして名前を呼ばれた気がした
もう随分聞いていない声なのに
なぜそれが「懐かしい」とわかるものなのか
私はたいして確かめもせず無防備になる

呼吸は、静かに森を湿らせた
森は、私を湿らせた
ようやく、身体を森の奥で休めることが出来るんだ
安心できたと同時に、私はカラスであることを忘れ
また無駄に遠吠えする
もっと、もっと、と、呼吸をし続ける

mardi, décembre 16, 2008

Mimi/Kami

「髪を切った」
と、右側にいる彼女は
鼻先を通り抜ける風のように云う
「髪を洗うとぜんぶ忘れる」
と、左に座った彼女は
凛とした瞳で明日を見て云う

左右の耳に刻まれた週末の合い言葉

片耳にしかない2つの小さな穴に
フランスから到着したばかりの彼女から渡された
2つの紫の花のピアスを刺してみた
重なりあって揺れて
銀の泡が弾けた優しい音がチリリとする

生え際を刺激する風の神の手先によって
愛を育てる彼女たちの地肌から生まれる温かな調べ
調和をこの耳で確かめながら、愛の詩を書こう
皮膚の向こうからは、透明な光に包まれた美しい男が
ゆっくりと近づいて新しい言葉を届けてくれたから

「夢の男は、吐息まじりに心音を耳に響かせて何度も名前を呼んでくれる。そうして静かに内側から皮膚をつつくのです。私はその信号を髪の先で受信し、愛にならないように気をつけながら、皮膚の中で彼を泳がせたいのです。嬉しく、こそばゆく、仮想の幸せの中で、ふたりで遊んでいるのです」

こんな夢を甘噛みして
私はまた彼女たちとおしゃべりする
髪の奥と耳の奥を磨いている
草原の花に囲まれた2つの日のちょうど境目
嬉しく、こそばゆく、うつつの幸せの中で
互いに花冠に友情を編み込みながら