mardi, décembre 16, 2008

Mimi/Kami

「髪を切った」
と、右側にいる彼女は
鼻先を通り抜ける風のように云う
「髪を洗うとぜんぶ忘れる」
と、左に座った彼女は
凛とした瞳で明日を見て云う

左右の耳に刻まれた週末の合い言葉

片耳にしかない2つの小さな穴に
フランスから到着したばかりの彼女から渡された
2つの紫の花のピアスを刺してみた
重なりあって揺れて
銀の泡が弾けた優しい音がチリリとする

生え際を刺激する風の神の手先によって
愛を育てる彼女たちの地肌から生まれる温かな調べ
調和をこの耳で確かめながら、愛の詩を書こう
皮膚の向こうからは、透明な光に包まれた美しい男が
ゆっくりと近づいて新しい言葉を届けてくれたから

「夢の男は、吐息まじりに心音を耳に響かせて何度も名前を呼んでくれる。そうして静かに内側から皮膚をつつくのです。私はその信号を髪の先で受信し、愛にならないように気をつけながら、皮膚の中で彼を泳がせたいのです。嬉しく、こそばゆく、仮想の幸せの中で、ふたりで遊んでいるのです」

こんな夢を甘噛みして
私はまた彼女たちとおしゃべりする
髪の奥と耳の奥を磨いている
草原の花に囲まれた2つの日のちょうど境目
嬉しく、こそばゆく、うつつの幸せの中で
互いに花冠に友情を編み込みながら

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