納棺夫日記を本木雅弘が読んで、いまでは漫画化までされているらしいのですが、全くそんな情報を知らず、昨日の昼過ぎに友人Yと観に映画館に足を運ぶ。
感想。面白かった。・・・だけではあまりに素っ気ないか・・・。
いや、チケットを下さった義弟に感謝!(ほんとはその兄である夫と行きなさいという2枚のチケットでしたが)
一言で言って、映画館に観に行っても(日本の映画にしては)良い映画であると思う。びっくりしたのは、満席で次の回を待って観ることになってしまったということ。(それくらい満員御礼でしたよ!亘くん、すごい!)
それはそうと、本編について。
山崎努はとても良いです。あーゆー納棺夫なら説得力がある!と思った。田舎町で、小さな社会の中で、あのような仕事をやっていくのは近所の人の目から見れば「人の死でまんま食ってる」と言われることも然り、それを承知で、ある程度のあきらめや通過点を幾つもくぐってきた人らしい風采は彼にしかできなかったのではないかと思う。
本木雅弘もすごくイイ。まだ結婚して間もなく、どこに身を置き生涯の仕事をしていくのかを迷っている青年。彼の見るからに真面目な風貌がぴったりの役回りである。のち、天職と思えるほどに化けるその様も真面目で美しい青年だからこそ、死の場面を神聖に彩る技のように見えてきた。まるで「神の使い」のようでした。
他に、余貴美子も良かった!設定にもキャラクターも彼女の作り出した世界を感じた。
けど、キャスティングにひとつだけ文句がある。H末R子。あの人、今もあれを演技と思っているのだろうか?あのなんとも言えないアイドルの笑顔や作った憂い顔をやめて欲しい。その瞬間を見せられただけで映画が三流に思えてくる・・・(悲)。
でも、きっと製作する側の男達の心をくすぐっているには違いない。ううぅ(泣)。。。それがなおさら悲しくなる。
あぁ、切ないなぁ。日本の映画は“カワイイ”女優がすっかり主流になってしまっている。女優はかっこよくあって欲しいと切に願います!
昔の女優のほうがよっぽどかっこいいのだ。(例えば、原節子とか岸恵子とか、あんな顔は作らなかったと思う!)
日本の映画を語ると、こんなことをつい言いたくなるので、そしてとても熱くなってしまうので、この辺で。
H末ファンの人、まことにすみません。TVやCMではもちろんかわいいので良いんですが、やっぱりフィルム向きではないと思うんです。
ま、しかたないか。。。
さまざまな職業があり、さまざまな現場がある。
昔、ご飯がやっと食べられるくらいの、夢を追っていた時の自分の姿が主役に重ねられた。
いろいろなバイトをやった。いろいろな「役」を演じた。(長くやっていたらもっとたくさんの役をやっていたかもしれない)
その間に、葬儀屋さんのバイトをしたこともあった。この経験は、バイトといえどもとても良い経験をしたと思っていた。
それを裏付けるような映画であったことは確かだ。
職業によって、外側の人間に差別され、偏見を持たれるということもあるだろう。
でもそれは、決して内側から観た判断ではなく、そして責任のある判断でもない。
どんな仕事をしていても、自分を見失わないということ、それに向かう姿勢が確かであることのほうが大事だということをこの映画は伝えようとしている。